師走に入り、寒い日が続いています。
寒くなってくると朝の通勤がちょっとつらいと思うのは私だけでしょうか。

寒い朝、道行くビジネスパーソンや学生さん達は、寒さに立ち向かうように身体を小さく丸めて足早に駅に向かいます。
そして満員電車に乗る訳ですが、そんな通勤電車でちょっと心温まる経験をしました。

私が通勤に使用しているのは、東京の下町を走る私鉄、京成電鉄です。
今日は一段と冷え込んでいるので、オーバーにマフラー、手袋と完全防備で駅まで歩き電車に乗り込みました。
そして、車内の暖房でホッとした時に、
「寒いホームでお待たせして申し訳ありませんでした。この電車は上野行きです。
次は○○です。」とのアナウンスがありました。

私は一瞬、「えっ、何？」と思いました。そして次に「なんかすごい！」と思いました。
電車の車内アナウンスなど聞き流すことが多いのですが、いつもと違う一言があるだけでなんだかうれしくなりました。

その後もアナウンスを聴いていると携帯電話の注意のアナウンスも彼らしいものでした。また、終点間際には、
「あと4分ほどで終点上野に到着します。お忘れ物がないようにごゆっくりお支度ください。本日も京成電鉄をご利用くださいましてありがとうございます。」
と、決まった文言に自分独自のエッセンスを少し交えてアナウンスしていました。

アナウンスは話している人の顔が見えません。それでも、この車掌さんは心優しく、礼儀正しい人だということが伝わってきました。私はこの車掌さんの顔が見たいと思いました。

気ぜわしい師走の中で、ちょっとほっとした出来事でした。